今週はもしも10年に1度リーマンショック級の暴落が起こったらナスダックはどうなるのかというテーマで考察してみたいと思います。
リーマンショックからの回復
では、まず初めにナスダックはリーマンショックからどのように回復したのかを10年チャートで見ていきましょう。今回もQQQの実際のデータから疑似レバナスと疑似TQQQのデータを作成しています。
リーマンショックではQQQはショック前年の10月の高値から-53%、疑似レバナスは-83%、疑似TQQQは-95%の下落でした。
そこから、QQQは約2年、疑似レバナスは約3年、疑似TQQQは約4年半かけて回復しました。
最終的に10年後にはQQQ:280%、疑似レバナス:480%、疑似TQQQ:500%という結果になりました。
▼QQQ、疑似TQQQ、疑似レバナスの2007~2017年チャート▼

10年ごとにリーマンショック級の暴落が起こるとどうなる?
では次に10年ごとにリーマンショックが起こったとしたらどうなるのでしょうか?
上記のチャートと同じ変化率で30年の動きをシミュレーションしてみました。
▼10年ごとにリーマンショックが起こった場合のシミュレーションチャート▼

QQQ、疑似レバナス、疑似TQQQの全てが10年経過する前に暴落前の最高値を大幅に更新しているので、リーマンショック級の暴落が10年ごとに起こったとしても、結果的には右肩上がりになります。
ただし、ここで注目する点があります。
QQQは2回目の暴落が起こっても、シミュレーション開始時の値を下回る事はありませんが、疑似レバナス、疑似TQQQは2回目の暴落で開始時の値を下回る期間があります。
今回のシミュレーションでは疑似レバナスは約2週間程でしたが、疑似TQQQに関しては約1年もの期間、開始時の値を下回っているという結果になりました。しかも、開始時と比較して最大-70%の下落となります。
もう一つ、2回目・3回目の暴落直前にはかろうじて疑似TQQQが疑似レバナスを上回っていますが、大部分の期間、疑似レバナスが疑似TQQQを上回っているということです。
QQQ/レバナス/TQQQ 長期保有するならどれ?
もしも今回のシミュレーションのような動きをすると仮定すれば、少なくともTQQQは長期保有には向かないのではないかと思います。
30年後の結果がほぼ同じで、ドローダウンの小さいレバナスの方が長期保有には向いているのではないでしょうか。
では、QQQ・レバナスのどちらが長期保有に向いているのかということになると難しい選択になってきます。答えは運用開始する年齢や他の運用資産状況によっても変わってくるかと思います。
QQQ/レバナス/TQQQ 自動売買するならどれ?
それでは、次にトライオートETFのようなリピート系の自動売買をするなら、どれが適しているのでしょうか?
リピート系の自動売買は価格変動が大きいほど利益が出やすいという特徴があります。そう考えると一番変動が大きいのはTQQQなので、自動売買に適したものはTQQQという事になるのではないでしょうか。
ただし、TQQQは今回のシミュレーションでもリーマンショック級の暴落があるとあっという間に90%以上の下落となり、4年半も元の価格に戻らないというリスクがあります。
その期間、高値で持ったポジションの金利負担も考慮しなければなりません。
継続してTQQQの運用をするならば、最低限ロスカットレートは0にしておく必要もあると思われます。
また運用戦略としては、例えば大きな下落が起こったらTQQQで運用して、下落前の高値を更新したらTQQQを停止してレバナスもしくはQQQに切り替えて次の暴落まではレバレッジを小さい状態にしておくなどの使い分けも有効なのかと思います。
もしくは、全く反対の考えで、上昇中だけ高めのロスカットレートで狭いレンジのTQQQ運用を行い、少し下落したら即損切りをするというのも一つ戦略としては可能なのかと思います。
QQQ/レバナス/TQQQ はリーマンショック級暴落に耐えられる
上記のように考えると、10年に1度ならリーマンショック級の暴落が起こってもナスダックは耐えられるという結論になります。
しかし、今回のシミュレーションはあくまでも過去の暴落(リーマンショック)以降の回復が今後の暴落後にも起こってくれるという仮定での話になります。
もちろん、現在の生活においてITは無くてはならない存在になっていますし、IT産業はこれからも進歩していくのは間違いないと思いますが、今までのような成長を期待できるかは分からないと思います。
先のことは誰も分からないけど、こんな状況の時だからこそ過去の動きから未来の想像をするのも楽しいものです。
今回の勝手なシミュレーションは以上になります。
トライオートETFの仕組みや口座開設の方法は下の記事に詳しく書いてあります。⇩
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